捨てられない雑誌

そういえば、我が家にどうしても捨てられない雑誌がありました。

数年前に”こんまり”こと近藤麻理恵さんの”ときめき片付け法”に激ハマりし、実践。2016年に『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出された、こんまりさん。今や”KONDO”という動詞にもなり、欧米でも波及している片付け法です。

こんまり先生いわく、雑誌・書類は”全捨て”で!

が、それでもなお「完全に120%ときめきます!」と心のなかで堂々と宣言して残した雑誌があります。

Whole Earth Catalogue

Whole Earth Catalogueとは、1968年にスチュアート・ブランドによって創刊された雑誌。60年代当時のヒッピーが目指した”意識の拡大”や”コミューン(=都市から離脱し自然の中の共同生活場)”に役立つ情報や商品が掲載されるバイブル的存在として機能しました。のちに日本の宝島やPOPEYEなどのカタログ系雑誌も多分に影響を受けたと言われています。

創刊以来、一貫して「 Access to Tools 」というサブタイトルを掲げ、

1. Useful as a tool,(道具として役に立つこと)
2. Relevant to independent education,(自立教育への関連性)
3. High quality or low cost,(高品質、もしくは低価格)
4. Not already common knowledge,(まだ一般的でない知識)
5. Easily available by mail.(郵便で容易に入手)

という選定基準で、地球という惑星の上でヒトとして自立して生きるための手がかりや役立つモノが紹介されています。

コンテンツとしては、

Understanding Whole Systems(全体システムの理解)
Shelter and Land Use(シェルターと土地の利用)
Industry and Craft(産業と手工芸)
Community(コミュニティ)
Communications(コミュニケーション)
Nomadics(遊牧民)
Learning(学習)

といったカテゴリーに分けられ、60年代当時、アメリカを掻き立てる消費社会とは別の道を提示しました。

これはヤバイ!凄すぎる!と思うサービスやモノの背景思想がだいたい1960年代アメリカのヒッピーに行き着くので、当時自分なりに調べまくってました。大学に入った頃、渋谷の古本屋で見つけて即購入。プレミアついて2万くらいだったと記憶しています。

それから数年後、この雑誌が一躍有名になったのが、スティーブ・ジョブスのスタンフォード大・卒業式スピーチ。

スピーチ最後の言葉は、この雑誌の「Stay hungry Stay foolish / ハングリーであれ、おろかであれ」が引用され締めくくられました。

2010年代のこの現代でも十分に通用するモノ、サービス、その背後の思想、アイディア、数十年前の雑誌の独特のオーラ、紙の風合いも然り、存在感が物凄いんです。今はネットで全部公開されているんですが、個人的にはかなり影響を受けたものだし、子供にもいつか読んでもらいたいなーと手元に置きたい。やっぱり捨てられないですね。

家庭画報 国際版(International Japan Edition)

家庭画報といえば、ハイソなおばちゃん向け(対象年齢30後半以上?)なライフスタイル雑誌なのですが、この国際版では、もう少し幅広い世代に日本文化全般を海外に向けて紹介する雑誌です。創刊号あたりは裏原(宿)のこととか載っていましたね。

これも10年前くらいの大学の頃、ちょうど創刊したてで手にとって以来、2年分くらいは購入していました。基本的に日本文化紹介なので、あまりトレンドにも影響されず、最近はAmazonで安くなった昔の雑誌を購入したりしてコレクションしています。

まず目をひくのがビジュアル、エディトリアルの美しさ。日本の風景や文化の美しさにアルファベットのタイポグラフィは物凄いインパクトだな!とまずは見た目に本気で感動。

また一方で、知っているようで意外と知らない日本文化というコンテンツをあらためて知る機会にもなりました。

「侘び寂び」をこういうのか…と英語表現も学べたり。逆に、日本語でもいまいち意味わかんなかった概念が、シンプル簡潔な英語だとすんなり理解できたり。

イッセイミヤケの大ファンなので、そのコンテンツも充実していたこともあり、また欧米の日本文化研究家のかたが自宅を公開していたのですが、凄いかっこよくて…。

これも手元において収集しておきたい雑誌。めくるだけでリッチな気分になります。