大学のファッションテック研究:ウェアラブルコンピューティングとファッション表現

当時通っていた大学で、確か大学3年のときかな。その後ずっとお世話になる脇田先生が専任講師として赴任、新しく研究会を発足するとのこと。コンピュータを使った情報デザイン、ビジュアライゼーションの作品を作っていらして、すごー!カッコイイ!と思って軽い気持ちで入った。

ファッションとITをテーマとする大きいプロジェクトが発足し、私もチームメンバーに。その研究会で最初に作った作品がこれ。

Wearable Synthesis

ウェアラブルファッションにおけるフレームワークとして提示したWearable Synthesisという作品。

1つ1つの 服やアイテムが、インプット・アウトプットの属性を持つモジュールとして機能する。 例えば、ある服は環境に合わせて色を変え、ある服は周囲の音に合わせてリズムを生み出す。 そしてそれらを組み合わせることで、新しい衣服の表現の可能性が生まれる。

DESIGN TEAM Motohiro Tanji, Sohei Kitada, Midori Shibutani, Masahiko Inakage, Hiroko Uchiyama, Akira Wakita

このフレームワークに基づいて、周囲の色や音、温度をセンシングし、 変化する衣服を制作。

当時私は、プログラミングも電子工作もはじめてで不慣れだったので、モデルとして協力したり、LEDをキレイに魅せる素材を探し集めたり。

でも実際、この服を着てみて、ぶっちゃけどうなんだろう?と思ったよね(笑)。

電池が服に溶けこむほど小型化し、スイッチonoffも自動化するなど技術的障壁がクリアでき、フツーの服と変わらなくなったとして…光る服、本当に着たいかなって(笑)。

ファッションショーや紅白の小林幸子的なエンターテイメントとしての服はありかもしれないけど、私が目指したかったのは、もっと日常的に着る服、あるいはモノの未来の形。それが次の作品に繋がるのだけど。

SIGGRAPHのファッションショーで発表

この作品は、2005年にSIGGRAPHとで行われたCyber Fashion Show(サイバーファッションショー)で発表。

アメリカのコンピュータ学会(ACM)の分科会、CG(コンピュータグラフィックス)をテーマとするSIGGRAPH。

トイストーリーで有名なピクサーをはじめとするCG映画にはたいてい、コンピュータグラフィックスにおける新しい技術的な挑戦が核となっているんだけど、新しい表現法法と技術的な背景を共有する場になっている。基本的には学会なので、審査を通る作品が一堂に集まる。

CGから始まったこの学会も最近は映像作品にとどまらず、コンピュータによる新しいアート表現として、メディアアート、ロボットなど、どんどん幅が広がってきている。要は、新しいテクノロジーとエンターテイメント、アートのフェスティバル的な感じ。

ファッションショーも、当然ウェアラブルコンピュータ縛り。だいたいがLEDで光ったり、カメラが埋め込まれてたり、モータで動く服(笑)。ファッションショーの司会のお姉さんは、ヘッドマウントディスプレイをつけて機能を説明していた。このSIGGRAPHのあと、はじめてBurningManという砂漠のアートフェスティバルに行って再会したのだけど、それも含め色々衝撃だったな(笑)。

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