大学のファッションテック研究:共同研究、展示会へ

大学のファッションテック研究:共同研究、展示会への続き

奇しくも、特許出願のエキスパートのかたが大学に入ってきたこともあり、スムースに進み、そして共同研究をやりませんか?と、とある企業の誘いが入る。

この色の変わるテキスタイルは、次のインフラになると確信し、商品化までかけてみようかと思ったのです。

DESIGN TEAM:Midori Shibutani, Hisakazu Hada, Kohei Tsuji, Akira Wakita

ファーストプロトタイプよりもう少しキレイな試作品をインテリアプロダクトとして作り、日本のインテリアの展示会に出展してお客さんの反応を見ようということになった。

これを足がかりとして、世界最大規模の家具見本市、デザイナーの登竜門とされるミラノサローネを狙い、そして商品化まで行きたかったが、共同研究が開始して2年。ワールドビジネスサテライトなどテレビ取材は入りはしたものの、そこまで盛り上がることはなく、私自身がこの時点で力も尽き、プロジェクトは解散した。

卒業したての学生そこそこにしては頑張ったのだけど、デザイン力、マネジメントも含め、とてつもなく自分の力不足を感じたのですよね。早くとにかく社会に出て、世に出るものづくりを学ばなければ…と強く思ったので就職することにした。

コンピュータの紀元、そして未来の織りの世界

ジャカード織機

一連のテキスタイルの研究をやりながら、あらためて、テキスタイル、織りの世界は深いなと思っていて…

一見アナログの極みにも思えるクラフト感溢れる織りの世界。

けど、意外なことにも歴史を辿るとコンピュータの祖先は、機織り機なの。

パンチカードのあるジャガード織機。織りの模様を決めるパンチカードの穴が、いわゆるゼロイチ(0/1)のプログラムであり、コンピュータの元祖と言われている。

あのIBM社の設立にも影響を与えたジャガード織機。その後老舗大型コンピュータメーカーになったIBMに対抗すべく、AppleやMicrosoftの”パーソナル”なコンピュータが生み出された。

一方日本では、豊田自動織機という会社があった。自動織機、繊維機械から飛躍した自動車メーカー、TOYOTAの前身だ。

織りの機械や技術は、クルマやコンピュータを産み出した。それは今は、ハードな固いプロダクトなんだけど…

コンピュータやプロダクトの未来は、一周回って再びこの織りの世界に戻ってくるだろう。
柔らかいソフトな質感を伴うコンピュータへ。

SIGGRAPH2016 Fabcell Demo

IT分野では何かと欧米に先を越されてしまうなかで、液晶などの化学分野、製造業、そして織りの分野を横断できる、日本のポテンシャルは極めて高いと思っている。

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