京都の秘境、志明院

ちょうど昨年の今頃かな、歌舞伎の「女鳴神」という演目を見て。 さらに本家本元の男ver「鳴神」を見て……昔から何度も繰り返されて熱狂を生んだ「十八番」なんだなぁと。

ストーリー的には…
ときの帝が、鳴神上人(なるかみしょうにん)に祈祷をしてもらい念願の皇子を授かった…にもかかわらず、かわりにお願いしていた帝との約束を果たしてもらえず、岩屋の滝壺に”龍神”を封じ込め雨を降らせなくした。民も旱魃に困り果て、朝廷が龍神を解き放つミッションで美女スパイを派遣。色香に惑わされて破戒堕落した上人だが、ハニートラップと知ってブチ切れ、悪鬼となって荒れ狂う、というもの。

おっぱい触っちゃった〜の瞬間?

雷、炎、龍神飛翔、滝、音と光の演出もさることながら、 人間の喜怒哀楽、善悪、美醜すべてが詰めこまれていて深い感動と興奮があってですね。

謎に、この舞台の滝、行かなきゃ!という衝動が強く湧き上がって探したところ… そのときの歌舞伎役者さんのブログで「おそらく舞台はここだと思われます。」と言及された場所があり「いつか行きたいとこGoogleマイマップ」にポチしておいたのですが。

そしたらさ!

その後、Evernoteに保存した15年前(!)の記事がひょんなことから出てきて。「京都最大の魔所、龍神、空海、役小角、もののけ姫のルーツ、カメラも預け撮影厳禁の聖地…」 なんていうワタシ的バズワードの嵐…。

記憶にもなかったのですが、読み進めると最後に
「歌舞伎、鳴神の舞台でもある。」
あの役者さんが言っていた場所とは全然違う場所!ここじゃん!

面白いご縁で、去年二回目となる瞑想合宿の後に行くことに。超クリアになった頭と心で京都駅からレンタカーで30分ほど車を走らせると、いよいよ車のすれ違いも厳しい極細林道へ。最奥どんづまりにそのお寺はありました。

岩屋不動 志明院(いわやふどう しみょういん)。

役小角によって開かれ、弘法大師によって再興されたという真言宗系の寺。鴨川の源流の水神を祀っている。

駐車場をつくなり…
「あんた、ここ、何で知ったん?誰かの紹介?」
いきさつを話すと「ここですよ!ここあっての鳴神ですよ!」と力説いただきました。

「あの門から先は撮影厳禁。荷物もすべて社務所に預けていって。」と。 ひぇ〜、全部??となりましたが。せっかくなので門だけ撮ってらっしゃいとお許しをいただいた。

山門をくぐり苔むす階段をのぼっていきます。ちょっとここは…かつてないほど神聖な雰囲気。高野山の奥の院を思い出しました。 滝が見えてきてその上の洞窟の中へ。洞窟の奥には上から水滴が…紛れもなく鴨川の源流の一滴!他に参拝者はいなくじっくりと堪能させていただきました。

手ぶらで入るにも納得の神秘感溢れる水神の地は…私もかなり神社仏閣回っていますけど、その中でも一線を画している印象。住職曰く、龍神の住処、でもあるそう。私はそういうの全然見える人ではないけど(その割に不思議とこういうの嗅ぎつけて行くんだけど…笑)いてもおかしくないほどの。ってか、歌舞伎の龍神の話も、もはやファンタジーと思えなくなってきた感じすらある。たまにネットに山門奥の画像がアップされているのを拝見し残念な気持ちになりますが…実際にこの雰囲気のなか直に感じることに意義があるかと思います。

この奥…!

この志明院がある、雲が畑(くもがばた)エリア。京都から車で30分とはとても思えない古き良き山里です。何しろ定期運行のバスが通っていなく、観光客もほぼいません。それどころか携帯も余裕で圏外w。鴨川を上流に向かうドライブ、さぞかし気持ちのいい場所かと思いきや。

一面木がなぎ倒された光景に圧倒されるの!

人工で?それとも台風で?かわからなかったのですが、林業の盛んな地域ということがわかり。

人間って残酷だなぁ…と、残酷な感想が出てきました。 なんたって普段、木のかわりにタワマンがにょきょきw生える東京ベイエリアど真ん中にいて、まわりの木製品がこういう原風景から作られているって繋がらないんだよね。

一方で、異常気象で台風の頻発による”山荒れ”も確かにあり、道が寸断されるのを防ぐためにも事前に木を伐採しているらしいから、やはり”異常な光景”と言えなくもない。帰り際、志明院の山のふもとあたりに携帯用かな?大型アンテナを設置している工事をしているのをみて…ここに電波が来ちゃうか、残念。と思ったのも事実で。

というのも!

人間の生きやすさ(&文明)と自然、が複雑に絡み合っているテーマの映画「もののけ姫」のことを考えていました…ここはあのジブリ最高傑作の一つのルーツでもあって…。

続きます。